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【第12週】舞いあがれ!ネタバレあらすじ「翼を休める島」

連続テレビ小説「舞いあがれ!」の第12週放送分を小説調でまとめていきます。

【第56話】12月19日(月)放送 無事に就職が決まる舞

2008年9月、舞(福原遥)たち学生は訓練と並行して航空会社への就職活動を始めています。同期の柏木(目黒蓮)たちが順調に内定をもらう中、舞は就職活動に苦戦していたのです。

航空学校卒業まで残り3ヶ月の頃、最後の訓練地仙台で舞は訓練に向けての勉強に励むものの、合否の連絡を気にしており集中できないでいます。丁度その時、非通知設定の電話が鳴り響き、舞は思わず倫子(山崎紘菜)の方を振り返りますが、倫子が慌てて「なにしているの!出ないと」と急かし、舞も急いで通話ボタンを押しました。

「もしもし、私です岩倉です」とぎこちなく返す舞は、「あ、はい。有難うございます。失礼します。」と電話を切ります。後ろで倫子が様子を見守っていると、固まっていた舞がようやく口を開き「内定、もらいました」と報告したのです。

自分のことのように喜ぶ倫子に、舞は「中々内定貰われへんかったから、嬉しいです」と涙ぐみました。早速、浩太(高橋克典)に博多エアラインの内定が決まった報告をすると、浩太は電話の向こう側でめぐみ(永作博美)にグーサインを出して、二人で喜びます。

しかし、電話の途中で社員の一人がパソコンを見て立ち上がると、「社長!これ見て下さい!」と慌てて浩太を呼びました。浩太はめぐみに電話を渡し、社員が促すパソコンの画面を見ると、今月の注文数が先月の半分以下まで激減していたのです。

浩太は慌てて名神プレステックに電話をかけ来月の受注数が間違いではないかと確認します。しかし、来月の受注数に間違いはなく、今後の受注数が戻ることも保証できないと告げられたのです。

めぐみも「こない受注数減ってしもたら、支払い大丈夫やろか」と新工場のローンの返済を心配します。実はこの時期、アメリカの投資銀行リーマンブラザーズの破綻を引き金に、世界的な金融危機が起きていたのです。その影響は、株式会社IWAKURAまで及ぶほどでした。

その頃、長崎の五島列島では「みじょ カフェ」にて、祥子(高畑淳子)が島の人々に、舞が無事に航空会社に内定をもらい、遂に本当にパイロットになれることを報告しています。

豪(哀川翔)が「博多エアラインやったら、五島までの直行便があるっちゃ」と喜ぶと、さくらも「うちら、舞ちゃんが操縦する飛行機乗れるっちゃ」と笑顔を見せました。居合わせていた役場職員の伸吾(鈴木浩介)はPRを閃いたようで、「祖母(祥子)と孫(舞)がつなげる航路、ようこそ五島へ」と言います。

伸吾のPRに一同は盛り上げると、幼い頃の舞を思い返し、この島で元気になった舞がパイロットになることを感慨深く感じるのでした。また、舞の頑張りに感化された伸吾は後輩に「島への留学制度、もう一度提案するぞ」と意気込みます。

12月に入った仙台では、居酒屋で舞・柏木・倫子・吉田(醍醐虎汰朗)・中澤(濱正悟)卒業を祝した祝賀会を開いていました。柏木が「長かった学生生活も明日で終わる。春には全員エアラインのパイロットだ。次に会うのは空の上かもな。」とおどけながら乾杯の音頭を取ると、「卒業おめでとう」と全員で乾杯します。

すると、丁度水島(佐野弘樹)が「盛り上がってるじゃなーい!」と懐かしいテンションで入店してきたのです。久しぶりの水島に、一同は驚きながらも再会を喜びます。水島は自身のスーパーで作ったお惣菜を持参すると、柏木のしつこい誘いで時間を作って来たと説明しました。

そして、「君たちはやってもやっても終わらない課題と、馬鹿みたいに厳しい訓練から逃げないで、乗り越えて、明日卒業するんだよ。それが、どんなに凄い事かは、俺が一番知っている。おめでとう。」と熱い祝いの言葉をかけたのです。

水島の泣けるスピーチに思わず涙ぐむ一同に、「そんな顔しないでよ!」といつもの明るさで場を盛り上げます。みんなで水島が作ったお惣菜を味わうと、おいしいと絶賛の嵐で、水島も今の仕事が好きで向いていると感じており、結果オーライです。

和気あいあいと飲み会を楽しむ中、柏木から呼び出された舞は、春までサンフランシスコで語学留学することを伝えられます。中々会えなくなることで舞は驚き、少し寂しがりますが、柏木は「俺たちなら、離れていても大丈夫」と舞を安心させました。

無事、航空学校を卒業した舞は、入社までの期間を東大阪で過ごすため帰省します。その頃、岩倉家では浩太が社員のボーナスが3万しか払えない不況を嘆き、「今まで社長やってて、一番うれしい時はボーナス渡すときやった。こんな気持ちで入れなあかんとわな」と社員たちに申し訳なく思っていました。

丁度、その時舞が帰ってきて「ただいまー!」と元気にリビングのドアを開きます。いつもならにやけた顔で喜ぶ浩太ですが、今日ばかりはいつもの元気の良さがありません。

また、めぐみも笑顔は作るものの、どことなく元気がないことから舞は不思議に思いますが、追求することなく無事卒業できたこと、航空学校に行かせてくれたことに感謝すると、二階の自室に入っていきました。

一方、お好み焼き屋うめづでは、株式会社IWAKURAの社員が集い、ボーナスの少なさを嘆きます。そこで、結城は「社長は精一杯やってきれてはります」と浩太を庇いました。しかし、結城は3人目の子供が生まれることで、このままでは家計が厳しくなると追及されると、悔しそうに黙ります。

見かねた笠巻(古舘寛治)が「お前らが入ってくる前、IWAKURAには何べんもピンチがあったんや。そのたんびに何とか乗り越えてきた。今度もそうやて、みんなで辛抱しよう」と言葉をかけたのです。みんなに認められている笠巻の言葉に、社員たちは「笠巻さんが言うなら」と不満を飲み込むのでした。

岩倉家では舞が部屋で勉強をしながら、宮崎校での記念写真を見ながら微笑みます。順調に卒業し入社へ向けての期間を過ごす舞ですが、この後自身にもリーマンショックの影響が及ぶのでした。

【第57話】12月20日(火)放送 投資家に転身した兄

2008年12月、航空学校を卒業して東大阪に帰省した舞は、隣のお好み焼き屋「うめづ」へ仙台のお土産である笹かまぼこを持っていきました。雪乃(くわばたりえ)と勝(山口智充)は大好物だと喜び、勝が「さすが予言者の妹やなぁ」と舞に言いました。

舞は初めて聞く話に「予言者?」と聞き返すと、一冊の雑誌を見せてくれます。そこには、兄・悠人(横山裕)のインタビューが大きく掲載されていたのです

肩書きとして”ファンド・マネージャー 岩倉悠人”という文字とともに「リーマンショックを予測した若き天才投資家」と書かれており、舞は非常に驚きます。

インタビューで悠人は「グローバル金融危機を予測するためには、常に世界中にアンテナを張って膨大なノイズの中から真に重要な情報を選び出す分析力が必要です。大切なのは、他人ではなく自分を信じることです。自分の能力と判断を信じることができれば、迷わず行動できるはずです」

このように語っており、同じ頃、父・浩太(高橋克典)も会社でこの雑誌を眺めながら難しい表情を浮かべていました。

年は変わって2009年1月、舞の就職先である「ハカタ エアライン株式会社」から郵便物が届きました。舞が嬉しそうに開封すると、手紙には「入社を1年間延期する」との旨が書かれていました。リーマンショックの影響は航空業界にも及んでいたのです。

その後、舞はカフェ「ノーサイド」で久しぶりに“なにわバードマン”で共にパイロットを務めていた由良(吉谷彩子)と会っていました。由良は「航空学校どうやった?しんどかったやろ?」と舞に尋ねます。

舞が「しんどい以上に楽しかったです。高い空1人で飛んでたら、空飛ぶって当たり前やない、すごいことやって、背筋が伸びるんです。この為やったらどんな訓練でも頑張れるって思いました」と話すと、由良は温かい笑顔で「そうか」と相槌を打ちます。

そして「4月から福岡?」と舞に尋ねると、舞は落胆した表情で先程の手紙に書かれていたことを話します。そんな舞に由良は「厳しい訓練に耐えてきたんだから、長い休みもらったと思ってゆっくりすれば良い」と励まします。

話は”なにわバードマン”の内容に移り変わり、由良は「刈谷先輩(高杉真宙)が大手の諸田自動車に就職した」と舞に伝えます

舞が「由良先輩は?」と聞くと、由良は「設計事務所って結構忙しいねん。けどお金貯めて、私の身長でもOKて言うてくれるアメリカで訓練受けてパイロットになるっていう目標があるから頑張れる」と自身の夢について語ります。

すると舞は「一番難しいのは『やろう』と決意すること。あとは諦めずにやるだけ」と、アメリカの歴史的な女性パイロットであるアメリア・イアハートの言葉を借りて、由良にエールを送ったのでした。

その夜、岩倉家では舞が帯広で教えてもらった豚丼を、めぐみ(永作博美)と浩太に振る舞います。2人が「美味しい」と喜ぶ中、舞は就職が1年延期になったことを伝えます。また、同期の中澤(濱正悟)も半年延期だと言います。

同じくリーマンショックの影響で悩んでいる浩太は「一時的なもんやろ」と自分に言い聞かせるように、舞を励ましました。自室に戻った舞は柏木(目黒蓮)に電話をかけようか迷いますが、サンフランシスコは早朝であるため諦めます。

一方でめぐみと浩太も、無理して元気そうな顔をする舞を「本当は不安やろうな」と心配します。そして余計な不安を増やさせたくない浩太は、めぐみに「会社のことは舞に言わんといて」と伝えます。するとそこに、祥子(高畑淳子)から電話がかかってきます。

翌朝、めぐみは舞に「ばんば(おばあちゃん)の手伝いしてきてくれんかな?」と提案します。めぐみは「昨晩ばんばから電話がかかってきて、足挫いてしもうたんやて。大したことないって言うてたけど、お客さん泊まりに来るみたいやし舞がいてくれたら助かると思う」と言います。

浩太も「それがええわ」と勧めるので、舞は怪訝そうな顔で「うん」と頷きます。その日、舞は「うめづ」で久留美(山下美月)と会います。そこで舞は柏木に電話をかけますが、柏木は出ません。久留美は「柏木さんと話したかったのに残念」とガッカリします。

舞は久留美に「1年どうするん?」と尋ねられると「五島でしばらくばんばの手伝いしながら考えるわ」と答えます。すると雪乃が「舞ちゃん五島行くん?今、貴司(赤楚衛二)おんで」と貴司から届いたハガキを見せます。

そして「舞ちゃん、貴司携帯持ってへんから元気にしてるか確かめてきてくれへん?」と舞にお願いします。舞は笑顔で「わかりました」と答えるのでした。

その夜、舞は貴司に「私も五島へ行く」という内容の手紙を書きます。そして、舞は4年ぶりの五島列島に訪れます。

五島に到着すると祥子と感動の再会を果たします。祥子は、どうやら船から飛び降りて足を挫いてしまったそうで、松葉杖をついていました。

祥子が舞に「パイロットの学校は楽しかったか?」と聞くと、舞は「めっちゃ楽しかった。空飛ぶんわな、ほんまにワクワクすんねん。ほんまに楽しい」と嬉しそうに答えます。

そして舞は「泊まりに来るお客さんてどんな人?」と祥子に尋ねます。祥子が「東京の親子で、島の小学校に…」と話し始めると、早速その”お客さん”が浦 信吾(鈴木浩介)の案内のもと祥子の家に訪れました。

そして信吾が「こちら森重美知留さん(辻本みず希)と朝陽くん(又野暁仁)」と今日から祥子の家に泊まる2人を紹介します。2人は親子で、母の美智留が「はじめまして、森重と申します」と挨拶をすると、朝陽は「お腹すいた」と不満を漏らします。

舞が「お昼まだなん?」と朝陽に尋ねると、朝陽は「お菓子食べる」と一言答えます。どうやら朝陽はなかなか癖のある男の子のようです。

【第58話】12月21日(水)放送 森重親子

祥子(高畑淳子)の家に訪れた朝陽(又野暁仁)は、到着すると開口一番に「お菓子食べたい」と言います。祥子は「お菓子ば食べたかとば。あっぞ」と優しく返し、サツマイモのお餅である「かんころ餅」というお菓子を出します。

しかし、朝陽は「いらない」と言って食べようとしません。母の美智留(辻本みず希)が「お芋もお餅も好きでしょ?」と聞くと、朝陽は「変な色。お菓子じゃないし」と駄々をこねます。

そんな朝陽に信吾(鈴木浩介)が空気を変えようと「朝陽くん、さっきの道が通学路やけんね。1人で行けそうかな?」と尋ねます。すると朝陽は「あぁーもう!ウザい!」と立ち上がって、耳を塞ぎながらその場から逃げてしまいます。

舞(福原遥)が祥子に「朝陽くん、どないしたんやろ」と聞くと、祥子は「気難しい子って聞いちょったばってん」と答えます。信吾が「祥子さん、本当に任して良かかな?」と確認しますが、祥子は「大丈夫たい」と快く受け入れます。

朝陽は都会の学校で馴染めず、美智留が朝陽の環境を変えたいと願って、五島の小学校に通わせることにしたそうです。信吾が働く役場では、いずれ五島で子供たちの受け入れをしたいと考えており、お試しの移住体験から始めてみようということになったのです。

舞は、縁側でボーっと考え込む朝陽の横にそっと座ります。ふと空を見上げると、ちょうど飛行機が通過していくところでした。すると舞は、操縦桿を握る素振りをしながら、飛行前に行うチェックリストの練習をします。

舞の姿を見た祥子が「呪文みたいだ。大したもんたいね」と感心しますが、横に座る朝陽は表情を変えることなく、全く興味を示しません。その晩、朝陽は変わらず縁側で空を見上げていました。舞が「朝陽くん、おやすみ」と声をかけても、やはり無反応です。

舞は部屋に入り、寝る準備をしていると携帯が鳴ります。相手は柏木(目黒蓮)でした。「久しぶり、電話くれてたよな」と柏木はいつもの冷静なトーンで話します。舞が嬉しそうに「元気やった?」と聞くと「うん、元気。常に寝不足だけど」と答えます。

柏木は、朝から晩まで授業を受け、ルームメイトにはあちこち連れ回されているそうです。舞は柏木に、入社が1年延びたことを報告します。柏木は「大丈夫か?」と心配しますが、舞は「勉強する時間1年もらえたと思って頑張る」と答えます。

舞は気を遣い「忙しい時間にごめんな。声聞けて嬉しかった」と、まだまだ話したい気持ちを抑えて電話を終わりにするのでした。

翌朝、朝陽は「学校に行きたくない」と、また駄々をこねていました。舞が「朝陽くん、ええ学校やで。窓から綺麗な海が見えてな」と声をかけても「行かないって言ってるじゃん」の一点張りです。

そんな朝陽の姿を見た祥子は「無理に行かせんでも良かとじゃなか?」と美智留に言います。そして朝陽は学校へ行かず、また縁側で空を見上げます。

その日祥子と信吾は、美智留から朝陽のこれまでの様子について詳しく聞きます。朝陽は東京の学校で2年生まで登校していたが、徐々に友達とうまく付き合えないようになってしまったそうです。

友達から「朝陽はワガママだ。すぐに怒るから一緒に遊びたくない」と言われ、美智留は環境が変わったら朝陽自身も変わるかもしれないと考え、色々なところに問い合わせたと言います。しかし断られることが多く、やっと五島で受け入れてもらえることになったのです。

信吾は「ここは授業は少人数で学年もバラバラやし、朝陽くんのペースで授業をやれるとですよ。ゆっくり、ちょっとずつ慣れていけば…」と美智留に話します。

一方で、舞は今日も、朝陽の隣で勉強をします。しかし今日の朝陽は昨日と違い、赤い南天の実をひたすら白紙に並べるという作業をしていました。舞はそれを見つめながら、何をしているのか特に問わず、また飛行機のチェックリストの練習をします。

すると、朝陽が途中からチェックリストの内容を一字一句間違えることなく、最後まで読み上げるのです。舞は驚いて、思わず「なんで?」と朝陽に問いかけると、朝陽はニコッと笑ってみせました。

その後、舞が美智留に先程の出来事を話すと、美智留は「あの子、興味持ったことはすぐ覚えるんですよ」と話します。

しかし興味の幅が狭くて、図鑑などを見始めるとずっと眺め続けるらしく、美智留は「親としては図鑑を眺めている時間の10分の1でもいいから、お友達と遊んで欲しい」と語ります。

そんな美智留に、舞は「自分が小さい頃も、よく熱を出していたため環境を変えたら改善するのではと五島に住んでいた時期があった」と自身の幼少期も朝陽と同じ境遇だったことを話します。

舞は当時のことを振り返り「あの頃は熱出たらどうしようって心配ばっかしてて。自分がどうしたいか上手く言えなかった。朝陽くん見てたら、ちょっとだけ小さい頃のこと思い出すんです」と美智留に伝えるのでした。

そして翌朝、朝陽がいる縁側の前で舞が洗濯物を干していると、何やら紙飛行機が飛んできます。そこには「屋上を(お) めぐり続ける(め) 伝書鳩(で) 飛べるよ高く(と) 浮き雲よりも(う)」と短歌が書かれており、良く見ると頭文字が「おめでとう」の文字になっています。

舞が不思議そうに眺めていると、後ろから「舞ちゃん」と声をかけられます。そこには貴司(赤楚衛二)の姿がありました。貴司は「航空学校、卒業おめでとう」と舞に伝えます。

そこで舞は、紙飛行機を飛ばしたのは貴司だとわかり、嬉しそうに「ありがとう」と答えながら貴司と久しぶりの再会を果たすのでした。

【第59話】12月22日(木)放送 朝陽くんと仲良くなりたい舞

五島で貴司(赤楚衛二)と久しぶりに再会した舞(福原遥)は、貴司からこれまでの旅の話を聞きます。貴司は、漁港や牧場で働いたり、みかんの収穫をしたり、遺跡発掘のバイトをしたりと様々な体験をしていました。

そして現在貴司は、休みを利用して祥子(高畑淳子)の家に泊まりに来ています。舞は、貴司に「朝陽くん(又野暁仁)と仲良くなりたい。朝陽くんは自分の気持ちが上手く言えないから、しんどいのではないか」と話します。

それを聞いた貴司は「そのしんどさ、僕にもわかるわ。祥子さんに『周りに合わせんで良か』って言われてちょっと楽になった」と自分が落ち込んでいたときのことを思い出していました。

舞は、縁側でいつもと同じように南天の実を並べる朝陽のもとに行き、空を見上げると「雲もなんんもない青空やな。こういう空飛ぶん、めっちゃ気持ちええねんで」と朝陽に話しかけます。すると朝陽は「ある」と一言つぶやきます。

舞が「なんもないけど…」と不思議そうに尋ねると、朝陽は「昼間の空にはたくさんの星があるんだ。星の光は弱いから太陽の明るさに負けて見えなくなっているだけなんだ。太陽が沈むと星が見えてくる。人間の目には8600個の星が見える。でもそれは全宇宙の星の中のほんのわずか。この銀河系には2000億個の星がある。宇宙には銀河が3億個以上ある」

と、淡々と話すのでした。舞は驚きながらも、ふと気づきます。朝陽が並べていた南天の実は、星座を描いていたのです。舞が「朝陽くん、もしかしてこれ星?」と尋ねると、朝陽は「うん」と嬉しそうに頷きました。

舞も朝陽の笑顔に嬉しくなり「そうなんや!朝陽くん、星好きやねんなぁ」と返しました。するとそこに貴司が「朝陽くん、食べるかなぁ?」とみかんを持って現れます。しかし、朝陽はみかんを眺めるなり「土星は食べない」と言います。

舞が「これ土星?!大きすぎん?」と笑いながら聞き返すと、朝陽は南天の実とみかんを交互に指さしながら「地球がこの大きさだったら土星はこの大きさ」と答えるのです。

舞は感心しながら「へぇ~土星って大きいねんなぁ」と言うと、朝陽は「もっと大きい星いっぱいある。太陽はこれくらい(手を大きく広げながら)」と楽しそうに話すのでした。

その夜、舞は久しぶりに倫子(山崎紘菜)と電話をします。倫子に「会社からはあれから連絡あったの?」と聞かれた舞は「何にもないです。電話してみたんですけど『通知したとおりです』って言われただけで」と近況を話します。

一方で、倫子が就職した会社は、予定通りの入社となるがパイロットの訓練開始を遅らせる可能性があるということでした。

舞が「リーマンショックの影響まだしばらく続きそうですよね」と話すと、倫子も「なんか先が見えないっていうか。これからどうなっちゃうのか不安だよね」と答え、2人は将来への不安を強く感じていました。

翌朝、舞と貴司が朝食の準備をしていると、舞はテーブルの上にあった新聞の文字に目が行きます。そこには“失職12.5万人 急速に拡大”と大きく書かれていました。険しい表情で見つめる舞の姿を見た貴司は「なぁ舞ちゃん。舞ちゃんは自分の気持ちちゃんと言えてる?」と尋ねます。

そして「心ってな、重い荷物乗せ過ぎたら飛ばれへんようになることもあんねんで。なんか悩んでんねんやったら、しんどなる前に吐き出したほうがええで」と舞に伝えます。

その晩、舞は考え込んで眠れずにいました。すると、隣で寝ている祥子が「眠れんとか?」と声をかけてくれます。祥子はなかなか寝付けない舞を心配し、電気を付けると「待っちょけよ。いいものがあるけん」と言って何を取りに行きます。

祥子が持ってきたのは、お酒でした。舞に「眠れん時はこれが良か」と言って2人で乾杯をします。そして舞は「あんな、ばんば。ほんまは入社延期になったん、ショックやった。ええパイロットになるにはな、どんだけ時間あっても足りへんくらいやねん。勉強して、訓練して、ほんまに1年の延期で済むんかな」と舞の心にあった不安を祥子に吐き出します。

それを聞いた祥子は「ばんばの船はな、出せん日も多か。嵐の日は家でじーっとしてるしか無かとさ。ばってん、それは無駄な時間とは思わん。体ば休めたり、備品ば修理したりしてな。いつかは空も晴れる。それまで出来ることがあれば、良かとじゃなか」といつものように舞を励まします。

翌日、舞と祥子は朝陽に「かんころ餅」を作ります。舞は祥子に「船で使ってる双眼鏡、朝陽くんに貸してやってくれへん?朝陽くんなぁ、星好きやねんて」と尋ねますが、双眼鏡は木戸(哀川翔)のところに修理を頼んでいると言います。

木戸に電話をかけると「双眼鏡は直っているから、一太(若林元太)に持たせる」とのことでした。一太は現在、木戸のもとで船大工を目指して修行中なのです。その後、一太は舞のところに双眼鏡を届けてくれました。

その日の夜、早速朝陽は双眼鏡で夜空を見上げていました。母の美智留(辻本みず希)が「もう寝よう」と声をかけても、朝陽は「まだ寝たくない」と言いながら、星を眺めることに夢中になっている様子です。

美智留が呆れて、朝陽の周りに置いてある図鑑を片付けようとすると、朝陽は「やめて!まだだって!もうイラつく!」と言いながらヒステリーを起こします。偶然通った舞が「大丈夫ですか?」と声をかけると、美智留は険しい表情を浮かべながらどこかへ行ってしまいました。

その後、美智留が縁側で俯きながら座っていると、祥子が「どがんした?」と声をかけてきます。すると美智留は「小さいときからずっとなんです。ずっとずっと他の子と違うんです。他の子が機嫌よく遊んでるのに、朝陽だけ泣き続けて。

私の育て方が悪いんだって言われて、ずっと謝ってばっかりで。夫とは上手く行かなくなって、あの子には私しかいないんです。だから『私がしっかりしよう、大きくなったら落ち着くはず』って、そう思って頑張ってきたのに…どうしてうちの子だけ…」と泣き崩れます。

一方で朝陽は、すっかり機嫌を直してランドセルに教科書を詰めていました。そんな朝陽の姿を見つめる舞のところに、貴司が「どないしたん?」と声をかけます。舞は「朝陽くん、ほんまは学校行きたいんとちゃうかな」と言いながら、何か策はないかと真剣に考えるのでした

【第60話】12月23日(金)放送 星空クラブ

舞(福原遥)と貴司(赤楚衛二)と朝陽(又野暁仁)は、縁側で天体観測をしています。夢中になって星を眺める朝陽に貴司は「僕も星好きやねん。一番好きなのはあれ。北極星」「真っ暗な夜に、自分がどこに行けばわからんくなっても、あの星さえ見えてたら大丈夫やねんで」と説明しました。

また、続けて舞が「昔の飛行機は、星を目印にして飛んだんやで」と教えると、朝陽は「地球は飛行機で一周したら、2日かかる。大きい星は飛行機で一周したら、1,000年かかる」と呟きます。「1,000年?」と舞と貴司は声を揃えて驚くと、朝陽は「もっと大きい星もいつか見つかる」と嬉しそうに話しました。

朝陽は夢中になって星を眺め、右側の舞はパイロットの復讐をし、左側の貴司は短歌を考えています。二人の独り言を聞きながら天体観測をする朝陽は「変人に挟まれてる」とこぼすのです。

翌日、舞は「みじょカフェ」で星が良く見える場所を常連たちに尋ねます。舞と豪(哀川翔)たちが談笑する中、さくら(長浜ねる)が海岸を勧めると、「星が落っちゃけてきそうなくらい、よく見える。むっちゃんに告白されたのも、夜の海やったとさ」とまたもや彼氏の話と繋げました。

さくらの惚気話にうんざりする一同でしたが、どうやらむっちゃん(さくらの彼氏)は五島で「星空クラブ」を作った張本人らしく、さくらは舞に星空クラブのチラシを渡します。さっそく帰った舞は、美知留(辻本みず希)に星空クラブのことを教えました。

しかし、美知留は以前、朝陽が中学生の男の子にうるさいと責められた過去を懸念して、小学生・中学生合同で行う星空クラブには積極的には慣れない様子です。朝ごはんの用意を済ませた舞は、朝陽を呼びに行こうとすると、廊下の陰から美知留が朝陽の様子を眺めていることに気づきます。

同じ星好きで気の合う朝陽と貴司は、大人・子供関係なく、星や詩人の話で盛り上がっていました。朝陽の楽しそうな様子を見た美知留は星空クラブに行くことを決意し、「舞さん、さっきのチラシ頂けますか?」とお願いします。

舞から星空クラブのチラシをもらった美知留は、朝日にチラシを見せながら星空クラブの提案をしました。朝陽はチラシを手に取ると、行ってみたいと返事をしたのです。厚着をし準備万端の朝陽は、さっそく星空クラブに出かけようとします。

朝陽の大きな一歩を喜ぶ舞と貴司たちは何気なく「お友達もできたらええな」と呟きました。しかし、それまで順調に準備をしていた朝陽は、舞たちの言葉を聞いた途端に「やっぱやだ。行かない。絶対行かないバカ!」と叫ぶと苦しそうにその場を去ってしまったのです。

また、定位置の縁側にいる朝陽の横へ舞と貴司が座ります。朝陽は貴司のノートに興味を示したようで、それに気づいた貴司は「短歌作ってんねん。自分の気持ち言葉にしな伝わへんやろ。その言葉を探してんねん。」と説明しました。続けて舞は「今どんな気持ち?」と朝陽に自分の気持ちを言葉にするよう促します。

すると朝陽は舞に助けてもらいながらも、星空クラブに行きたいけど、行きたくなくて苦しい気持ちを言葉にしました。一連のやり取りを聞いていた貴司は、自身のノートに朝陽の言葉をまとめます。

行きたい気持ちは太陽ほど大きいのに、行きたくない気持ちは地球くらいと、行きたい気持ちの方が大きい朝陽ですが「行ったら、また言われる。すぐ怒る朝陽とは一緒に遊びたくないって」と悲しい言葉を吐き出したのです。

また、「嫌な事されたら、うわ~ってなる」と自信の葛藤を言葉にすることができました。貴司はノートにまとめたことを朝陽に見せると、「これが今の、朝陽くんの気持ち?」と尋ねます。ノートを見た朝陽は「ちょっと違う」とノートに追加で自分の気持ちを書き足しました。

そこには「行けってうるさい」と苦しい言葉が綴られています。朝陽が星空クラブに行けと言われるのが嫌だったことを知った舞は、自身が勧めすぎたことを謝りながら、「怒りたなったり、モヤモヤしたりしたら、自分の気持ちノートに書いたらどうやろ?」と提案しました。

その晩、美知留は朝陽がいつも座っている縁側で、紙で作られたノートを発見します。中身を読んでみると、好きなもの・苦手なものの他に、「気持ち書いてみる→少しモヤモヤが減る→みんなと遊びたい→星空クラブに行きたい」と記載されていました。

自信の息子ながら朝陽の気持ちがわからずにいた美知留は、涙ぐみながら朝陽の気持ちを初めて理解します。翌日、朝陽と美知留は無事星空クラブに行けたようで、二人の様子を嬉しそうに祥子(高畑淳子)と豪が話しています。

また、朝陽の大きな一歩から、五島に住む人々も島に住む若者が島から出なくても良いように島を変える大きな一歩を踏み出さなくてはならないとも考えるのでした。

みんなで餅を食べていると、星空クラブに行く準備万端の朝陽が「早く星空クラブ行こ!」と元気にやってきます。美知留が「夕方からだから、まだ早いよ」と言うものの、朝陽は待ち遠しくてしょうがない様子です。

席についた朝陽に祥子が「食べてみなね」と餅を食べるよう促すと、「しょうがないな」と餅を一口食べます。すると、朝陽は元気に「うまい!」と言い、みんなを笑わせました。和気あいあいとする中、電話が鳴り響き、舞は慌てて受話器を取ります。

電話の内容を聞いた舞は、先程までの和やかな雰囲気とは一転し、唖然とした表情を浮かべ固まっていました。なんと、電話の主はめぐみ(永作博美)で、浩太(高橋克典)が倒れ救急車で運ばれた知らせだったのです。

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