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【第17週】舞いあがれ!ネタバレあらすじ「大きな夢に向かって」

連続テレビ小説「舞いあがれ!」の第17週放送分を小説調でまとめていきます。

【第77話】1月23日(月)放送 4年の月日が経ち

4年後の2013年、舞(福原遥)は株式会社IWAKURAの営業部エースとして次々と仕事を取り、社長のめぐみ(永作博美)と順調に業績を伸ばしていました。舞はこの4年で経験と知識をどんどん身に着け、正式入社当初とは見違えるほど成長したのです。

設計の結城(葵楊)と尾藤(中村凛太郎)と打ち合わせをし事務所に戻った舞に山田(大浦千佳)は笑顔で「おかえりなさい」と声を掛けます。あれだけ嫌味を言っていた山田も、今となっては舞と小話をするほど仲良くなっていました。

取引先と商談中のめぐみは「また10t増やせたらええと思ってます」と発注の追加について話しています。あまりの忙しさにめぐみは機械や人を増やさなければと検討しているほどで、絶望のリーマンショックからIWAKURAを立て直すことに成功したのです。商談が終わっためぐみに舞は人を増やすことを提案します。

舞の提案にめぐみは「そやからこの間、砂川さん(ムラサトシ)さんと稲本さん(横岡裕太)、小森さん(吉井基師)に会ってきてん」とリーマンショック時に退職した3人の様子を見に行ったようですが、今の仕事が順調で戻って来てくれとは言えなかったと返します。

また、梱包のパートさんたちにも以前から戻ってきてほしいと頼んだようですが、戻らないと返事をされたようです。すると、舞は自らもう一度お願いをすると意気込むのでした。

一方、貴司(赤楚衛二)は4年前に一時的に戻って来た八木(又吉直樹)から古本屋『デラシネ』を任されてからは旅を辞め、デラシネの店主をしながら短歌製作を続けています。八木同様に貴司も子供たち向けに無料開放しており、デラシネは近所の子供たちの溜まり場ともなっていました。

子供たちを店の外まで送ると仕事帰りの舞と鉢合わせます。舞と貴司は「おつかれさん」と互いをねぎらうと、笑みを交わし自然な流れで一緒に店に戻りました。座敷に上がった舞は散らばった短歌を見て何をしているのか尋ねると、貴司は「長山短歌賞に応募する短歌を50首選んでんねん」と教えます。

貴司の短歌に励まされてきた舞は、新たな挑戦に喜びながら「ええやん!貴司くんならええとこまでいきそう」と背中を押しました。舞の言葉にまんざらでもない貴司ですが言葉では「無理やって、短歌界の芥川賞なんやで」と謙遜します。

また続けて「一人で書いてても上達しんからな。評価してもらって、もっと上達しな」とあくまでも短歌の腕を磨くために応募すると語りました。貴司の想いを聞いた舞は優しく頷くと、一緒に短歌を選び始めます。選びながら貴司の短歌を褒める舞に、貴司も嬉しそうです。

すると、貴司は「ナポリタン作るけど食べてく?」と舞を誘い、丁度今晩めぐみが会食でいない舞も喜んで誘いに乗ります。出来上がったナポリタンを食べた舞は、あまりの絶品に褒めまくると、貴司は「名古屋の喫茶店で覚えた」と旅の途中に習得したナポリタンだと教えました。

食事をしながらお互いの日々の成果を伝えあい、自分のことのように喜び合う舞と貴司は、まるで恋人のようです。その晩、帰宅した舞は浩太(高橋克典)の歩みノートを1冊手に取ると、仏壇の前で新規の仕事が入ったことやIWAKURAが順調であることを報告し、「私、一歩踏み出したい」と宣言しました。

子供の頃から何度も聞いていた浩太の飛行機を作りたいと言う夢を、舞は諦めていないのです。翌日、以前梱包で働いていたパートの二人がIWAKURAに戻って来てくれました。西口さん(マエダユミ)と入江さん(那々實あぐり)との再会に、一足先に戻っていた日高(林英世)は二人に抱き着いて喜びます。

浩太が泣く泣くパート3人のクビを切った際に、「必ず会社立て直して、呼び戻します」と生前交わした約束をめぐみと舞はみごと叶えたのです。仕事に戻った梱包部署の社員一同を見送った後、舞は大事な話があるとめぐみを呼び出しました。

舞は「社長、これ一緒に行きませんか」と言うと、『航空機産業参入支援セミナー』と大きく記載されたパンフレットを差し出します。舞の提案にめぐみは「うちにはまだ無理やて。技術があっても、設備があれへん。高価な機械もいるし、工場ももっと広げなあかん。」と反対しました。

めぐみは浩太が自動車産業参入のため工場を広げ、運悪くリーマンショックと被ったため苦労した過去があるので、そう簡単には頷かないのです。また、めぐみは航空機産業を始めるために必要な品質保証はどうするのか尋ねると、舞は「すでに必要資格と品質保証の勉強は始めている。」と回答しました。

取るのが大変な資格に驚くめぐみですが、舞はこれまでにも国立大学に現役合格し、その後難しい航空学校も無事卒業しており、努力家であり秀才なので、猛勉強すれば取れると意気込むのです。

「けど、私一人じゃダメなんです。一緒に来ていただけませんか。それで航空機の部品作ること真剣に考えてくれませんか」と舞は懸命に頼み込みます。

続けて、「過酷な状況で使われるから、安全性も耐久性も厳しいレベルが求められる。けど、めちゃくちゃ大変だからこそ、IWAKURAのみんなと挑戦したいんです。うちのチームならきっと作れます」と訴えました。

しかし、めぐみは社員を守る社長としてパンフレットを端に寄せます。すると、舞は「一歩づつ登って行ったら、いつか山の頂上に立てるってお父ちゃん言ってた。お母ちゃん、IWAKURAの頂上は飛行機の部品作ることやないの?技術磨いて、工場大きくして」と伝えます。

舞の言葉に浩太がいつか言っていた「チャレンジも続けます。特殊ネジはもちろん、金属部品の製造にも引き続き力を入れていきたい。行く行くは、飛行機にうちの部品を乗せたい」の言葉を思い出しました。

どないしても、お父ちゃんの夢叶えたい。航空機の部品絶対作りたい。お母ちゃん、一緒に行こ。一緒に山の超じょう目指そう」と引かない舞に、めぐみは遂に「わかった」と返事をするのでした。

【第78話】1月24日(火)放送 ネジの講習会

古本屋「デラシネ」では、貴司(赤楚衛二)が短歌を書く横で、舞(福原遥)は勉強に勤しみます。そんな中、いつものごとく溜まっていた子供たちが帰る時間になり店を後にする際、1人の女の子が「2人付き合ってんの?」と舞と貴司に尋ねます。

すると2人は顔を見合わせて微笑み、舞が「友達やで」と言うと、貴司は「せやで。ちっちゃい頃から仲ええねん」と答えるのでした。子供たちが帰ると、舞は勉強を切り上げ貴司の書いた短歌の見直しを手伝います。

そして遂に、短歌の芥川賞とも言われる「長山短歌賞」に応募する作品を選定し、舞は「貴司くんの思いが伝わりますように」と願いを込めます。

すると貴司は急にハッとした表情を浮かべ「舞ちゃん!ほんまは結構プレッシャーあんねん。短歌は僕の全てで、それ賞に出すってことは全力でぶつかるってことやから。けど、賞なんか関係なくて、短歌に込めた想いが伝わったらそれでええんやな」と舞に自分の心中を打ち明けます。

貴司の言葉に舞は笑顔で「うん」と深く頷くと、帰路につきます。そんな舞の後ろ姿を、貴司は真剣な眼差しで見つめるのでした。

一方でめぐみ(永作博美)は悠人(横山裕)と会い、IWAKURAの業務報告書を渡します。悠人は書類に目を通すと「工場うまいこといってるやん。赤字出たら売り払ってやろと思ってたけど、毎月ちゃんと家賃も入ってくるし、悪くない投資先や」と前向きな意見を述べます。

そして、休日なのにきちんとした服装をするめぐみの姿を見た悠人は「今日休みちゃうの?」と尋ねます。するとめぐみは「航空機部品のセミナーがあってな。今すぐ作ろうと思ってんと違うけど、舞がどないしても行きたいって。舞なぁ、お父ちゃんの夢叶えたいねん」と言いながらセミナーのパンフレットを見せます。

その話を聞いた悠人は、浩太(高橋克典)と喧嘩をした時に浩太が口にしていた「飛行機の部品作ってジェット機に乗せる」という言葉を思い出し「まぁやれるだけやってみたらええんちゃう」と後押しするのでした。

喫茶店で会話をしていた2人でしたが、離れた席の男性客が何やら「あれ、岩倉悠人ちゃう?」と噂をしていました。「あんな金持ちがこんなとこ来ぇへんよ」と同席する女性が答えますが、男性は「けど似てんねん。俺めっちゃ憧れてんねん。かっこいい」と口にしています。悠人はそのくらい有名人になっていたのです。

その後、舞とめぐみは「航空機産業参入支援セミナー」に参加します。セミナーの中で、航空機産業に参入するためには資金や設備の面を考慮すると、結局のところ体力のある大企業にしか実現できないのではないかといった問題を参加企業が投げかけます。

そして、企画者側が「逆に、その高いハードルを乗り越えるためには、どうすればいいと思われますか?」と皆に質問をします。

すると舞が率先して挙手をし「中小企業が航空機産業に参入する1つの方法として、私は複数の会社が協力すれば良いのではと考えます。東大阪には様々な工場があります。それぞれの得意な技術を組み合わせれば、高度な製品を生み出すことが可能です。

数社が集まって1つの工場を作り、そこで航空機の部品を生産するんです。一貫生産に対応できるため、発注元にもメリットをもたらすのではないでしょうか」と発言します。

めぐみは我が子の堂々とした姿と正当な意見に、開いた口が塞がりません。セミナーが終わると、舞のもとに「菱崎重⼯」の荒金(鶴見辰吾)と名乗る男性が声をかけてきます。

あまりにも有名な会社で舞は驚きつつも、自分の名刺を渡します。荒金は「先程の岩倉さんのご発言、興味深く伺いました。夢があっていい。本当にそんな事が可能だと思われますか?」と舞に尋ねます。

舞は迷うことなく「はい。東大阪には独自の技術を持つ町工場がたくさんあります。力を合わせれば素晴らしいものを作り上げられると思うんです」と答えます。

そんな舞の意見に荒金は「力を合わせるのが難しいんですよ。それぞれにプライドがあって思惑がある。それでも力を合わせることができますか?」と再度質問しまが、舞は「はい」と自信を持って頷きます。

「なぜ?」と問う荒金に、舞は「同じ想いがあるからです。自分たちで作った優れた部品を最高の製品に使って欲しい」と話すと、荒金はすかさず「だから航空機部品へのチャレンジに同調する工場があるはずだと?」と厳しく問いかけます。

しかし舞は揺らぐことなく「はい」と答え、荒金の「そして御社にも優れた技術がある」という問いにも「あります」と堂々と返答します。すると荒金は「う~ん、面白い!」と途端に笑顔になり、その場を去っていきました。

舞が「菱崎重工って日本の重工業でトップクラスの会社やんな」とめぐみに言うと、めぐみは「うん。お父ちゃんが工場を継ぐ前に働いていた会社」と答えるのでした。

セミナーの後、舞はデラシネに寄り、貴司に声をかけます。貴司が「セミナーどうやった?」と舞に聞くと、舞は「勉強になった。ほんで、航空機の部品目指すんは大変やな~思た。けど諦めへんでぇ。一歩ずつ進むわ」といつも通り前向きです。

そして「今日な、そうめんと夏野菜の天ぷら作ろかな~思ってんねんけど、この暑さで揚げもんはお母ちゃん嫌かなぁって」と貴司に相談します。

貴司は「この野菜、刻んでめんつゆに付けたらええねん。それをそうめんに乗せて食べたら?」と提案すると舞は「美味しそうやな!」と嬉しそうに帰宅していきました。2人はまるで夫婦のような会話を自然と交わす仲に発展していたのです。

翌日IWAKURAでは、舞が営業から戻ると山田(大浦千佳)と藤沢(榎田貴斗)が「大変や!今誰が来てると思う?あの菱崎重工のお偉いさん!うちの工場見たい言うて」と騒ぎ立てていました。どうやら、舞と話して興味を持った菱崎重工の荒金が突然工場を訪れたようで、舞は慌てて「ちょっと行ってきます」と工場に向かうのでした。

【第79話】1月25日(水)放送 菱崎重工の荒金の依頼

菱崎重工の重役である荒金(鶴見辰吾)がセミナーでの出会いを機にIWAKURAを訪れ、工場を見学すると、めぐみ(永作博美)に「設備が新しいようですがこちらの工場はいつ建てられたんですか?」と質問します。

めぐみは「5年前です。自動車向けの部品を製造するために先代社長やった主人が、思い切って工場を新しくしまして」と答えます。すると荒金は「ゆくゆくは航空機部品への参入もお考えなのですか?」と尋ねてきます。めぐみが「それは…」と困惑していると、営業から戻った舞(福原遥)が到着します。

舞が会話に加わると、荒金は「高級自動車メーカーであり、航空機分野では世界トップクラスでもある『ボーリーガード社』から航空機に使われる新型エンジン用のボルトを試作する話が来ている。もし興味があれば御社でこのボルトを作ってみてくれないか?」と2人に相談を持ちかけます。

めぐみは驚きのあまり、思わず「それは仕事のご依頼でしょうか?」と尋ねます。その問いに荒金は「もちろん、正式な発注を見据えた試作と考えています」と言うのです。

舞は嬉しくて笑みがこぼれますが、めぐみは「ほんま有り難いお話なんですけど、弊社は先程ご覧頂いた通り、航空機部品に関して経験がありません。新しい分野に参入する余裕はとても…」と現実的に考えて、まだ早いという考えを示すのでした。

しかし、いずれは航空機部品の製造を目指したい舞が「どのようなボルトか図面を見せてもらえないでしょうか?図面を見ないで断ることはできない」と発言すると、部外秘であるボルトの図面を見せてくれます。

舞は図面を眺めると「少し検討する時間がほしい」と荒金に要求します。すると荒金は「実は、朝霧工業さんに既にお願いしている案件なんです。ただ試作が遅れていて、他にできるところがないか探していたんです。申し訳ありませんが、お返事は早めにお願いします」とのことでした。

めぐみは荒金に「なぜ弊社にご依頼頂けたのか」と率直な質問を投げかけます。荒金は「航空機産業は新たな力を必要としています。舞さんがセミナーで発言したように、本当に中小企業がその力となり得るのか私はとても興味があります。御社には優れた技術があるとおっしゃいましたね。それを証明して頂きたいのです」と答えます。

その後、舞は笠巻(古舘寛治)や結城(葵揚)ら数名の社員を集め、ボルトの図面を見せると「私は挑戦したいと思ってます」と力強く言います。しかし、社員の1人から「航空機部品に参入するなら今うちの会社が持ってる資格だけだとダメなのでは?」という質問が出ます。

この問いに舞は「確かに、将来本格的に航空機部品を作るなら『JIS Q 9100』を取得せなあきません。けど今回は試作段階なので、マストではないんです」と答えます。

一方で笠巻は「正直なところ、難しいと思う。これは新型エンジン用に開発されたニッケル基合金で作ることになる。これまでIWAKURAで一度も扱ったことがない素材や」と言います。宮坂(木内義一)も「ニッケルはうちにある機械で加工するのは難しいのでは」という答えです。

すると舞は「東大阪のよその工場に手伝ってもらうのはどうでしょう?」と提案します。しかし笠巻は「そんな簡単なもんちゃうで。よその工場かてそれぞれが大事な仕事抱えてんねん。うちの都合で協力してくれ言うてもなぁ」と難色を示します。

結城も「この図面なんぼ見たかて、どんな機械が必要なんかとか何をどこに頼めばいいんかとか、正直あんまピンと来ない。そもそも東大阪でできるもんなのか」と疑問を浮かべるのでした。しかし舞は諦めきれません。

「難しいからこそ、IWAKURAでやりたいんです。この試作、成功したらIWAKURAはもっと成長できると思います。笠巻さん、IWAKURAがここまで生き延びて来れたんは、チャレンジすんのを辞めへんかったからじゃないですか?」と笠巻に問いかけます。

笠巻は舞の言葉で、今まで浩太(高橋克典)が「どうしてもやりたい」と言って新しい機械を入れたことや、失敗を繰り返しつつも共に成長してきたことを思い出します。

そして舞は「よその工場へは私が協力してもらえるよう頼みに行く。私はどうしてもこれ、やりたい」と、かつて浩太が言ってきたことと同じ発言をするのです。

そんな舞の姿を目の当たりにした笠巻が、笑いながら「お父ちゃんも頑固やったけど、あんたそれ以上やなぁ」と言うと、結城やめぐみも思わず納得の笑みがこぼれます。笠巻は「そこまで言うんやったら、できることやってみよか」と舞の強い思いを受け入れます。

社長であるめぐみも「わかりました。やってみましょう」と承諾し、IWAKURAは初めて航空機部品に挑戦することとなりました。

その夜、雪乃(くわばたりえ)が「今日休みやったから城崎行ってきた」とお土産を持ってきてくれます。そのまま雪乃とめぐみは家でお茶をしながら「舞は仕事に熱心だけど、もう27歳だから結婚とか考えてもええんちゃうかな」と雪乃に相談します。

しかし雪乃は「今の若い子はのんびりしてんねん。うちの貴司(赤楚衛二)なんか一生独身ちゃうん」と半分諦めている様子でした。

そんなめぐみの心配をよそに、舞のプロジェクトが本格的に始動しました。航空機の部品は高熱や振動といった過酷な環境にさらされるため、非常に高い品質が求められます。部品1つ1つの出来が人の命に関わるのです。

今回のボルトの素材であるニッケル基合金は硬くて加工が難しいため、工場では何度も失敗を繰り返しながら最適な加工方法を探していきます。

また、航空機部品を製造する上で必要となる認証規格「JIS Q 9100」ですが、IWAKURAが本格参入する場合はこれを取得する必要があります。舞は先の夢に向かって、この資格を取得するための勉強にも1人秘かに励んでいました。

【第80話】1月26日(木)放送 部品の試作

仕事と勉強を頑張りすぎて、昼食を取りながら居眠りをする舞(福原遥)に、山田(大浦千佳)は「遅くまで頑張りすぎとちゃう?」と気遣います。

そこに「やっぱりうちの機械でやるのは厳しいなぁ」「ニッケルやなかったらもっと簡単なんですけど」とつぶやきながら笠巻(古舘寛治)や結城(葵揚)、土屋(二宮星)らが休憩を取りに来ます。

宮坂(木内義一)は「ジェット機のエンジン言うたら1000度以上やねんで?ニッケルやなかったら、そないな高熱耐えられへんがな」と言います。

笠巻は「いっぺん長井さんに相談してみるか」と提案します。長井金属工業は、以前IWAKURAの社員として働いていたものの、リストラにより他の企業へ転職した小森(吉井基師)のいる工場です。

その夜「うめづ」で舞と笠巻は、早速長井と待ち合わせをします。すると長井は急用で来られず、代わりに小森が現れます。笠巻は小森に「航空機のエンジン用のボルトを作るためにニッケルを扱ってる。だが、頭部成形がうまいこといかない。素材が金型に焼き付いてしまって」と相談します。

それに対して小森は「うちではニッケルを温めて加工している。プレス機使って電気炉から出したもんを直接叩いたら加工しやすくなる」と話します。しかし、IWAKURAにある機械でその作業は不可能です。

舞は「そちらの機械、使わせて頂けませんか?航空機の部品作るって父の夢やって。そやから今回の試作、絶対成功させたいんです」と小森に頼みこみます。小森も、浩太(高橋克典)が航空機部品産業に参入する夢を持っていたことを知っていたため「長井さんが良ければ俺は別に」と言ってくれます。

笠巻が「小森から頼んでもらわれへんか?」とお願いすると、小森は「わかりました」と快諾しますが、舞には「勘違いせんといてな。あくまで先代と笠巻さんのためやから」と、自分を切った舞とめぐみ(永作博美)へのわだかまりが消えていない様子です。

後日、長井は機械の使用を許可してくれたようで、結城と舞は長井金属工業へ出向き、長井に試作品の製造を手伝ってもらいます。舞が「長井さん、お忙しいのにすみません」と声をかけると、長井は「かまへんかまへん。この機械も喜んでるわ。最後に浩ちゃんの夢のために働けてな」と言うのです。

聞くところによると、長井は来月で工場をたたむことにしたそうです。「後継ぎがいないから、ここらが潮時やろ。ほんで、職人らの再就職先探してる」と長井は悩んでいました。当然、小森も行き先が決まっていないということです。

会社に戻った舞は、めぐみや笠巻と「小森をまた呼び戻さないか」という話をします。そして、めぐみは小森を会社に呼び「IWAKURAに戻ってきてくれはりませんか?」と提案します。

しかし小森は「俺いっぺん、いらんて言われたんですよ。あん時どんだけ悔しかったか。悲しかったか」と、まだ当時の出来事を引きずっていました。笠巻が「長井さんのとこ出て、次のあてはあんのか?」と聞きますが、小森は「ない」と答えます。

めぐみは「会社の都合でつらい思いさせてしもて、本当に申し訳ありませんでした。IWAKURAでは、もう誰にもそんな思いさせたくないと考えています。安心して気持ちよく働いてもらえるように、この4年間で会社変えてきました」と話します。

舞も「前に小森さんが言うてた『働いてることに誇りを持てるような会社』にです」と後押しします。そしてめぐみは「1日だけ、IWAKURAに来てもらえませんか?今のIWAKURA見て欲しいんです。それでもここで働きたないって思うのやったら、私たちは諦めます」と伝えるのでした。

一方五島では、さくら(長濱ねる)のカフェに信吾(鈴木浩介)や祥子(高畑淳子)らが集まり「知嘉島の未来を考える会」を開きます。知嘉島とは祥子らが住む五島列島の中の島です。信吾は皆に「どがんしてもこの島に来てくれる人ば増やしたか。そのためのアイディアを下さい」と頭を下げます。

しかし「水族館を作れば?」「昆虫博物館を作れば?」など実現不可能な提案ばかり出て、信吾はますます頭を悩ませます。そこに一太(若林元太)が現れ、一太にも意見を求めると「無人島にテーマパークを作る」と、また非現実的な発言をするので、信吾は「そないな予算なか!」と突っ込みを入れます。

そんな中、木戸(哀川翔)が「五島は釣りの聖地だから、釣りをしたことのない都会の若者たちに向けて釣り教室ば開くっちゅうのはどうか?」と名案を思い付きます。祥子は舞にも電話して聞いてみようと言い、早速舞に電話をかけます。

舞は「ええと思う。営業先でも釣りが好きって人は結構おる。その人らに五島の話したら、みんな『行きたい~』言うてたよ。五島で釣り教室やったら、都会の人も来てくれると思う。私も昔、さくらさんに釣り教えてもらってめっちゃ楽しかったしな」と木戸のアイディアに賛同します。

「みんなによろしく」と言って電話を切った舞は、祥子の声を久しぶりに聞けて元気をもらえた様子で、今日も頑張って営業の仕事に向かうのでした。

【第81話】1月27日(金)放送 ついに完成!

長井金属工業の機械を貸してもらい、試行錯誤する結城(葵楊)と尾藤(中村凛太郎)、舞(福原遥)ですが、惜しいところまで辿り着いたものの、あと一歩うまくいきません。圧造だけで20日目を迎えており、改めて航空機部品の難しさを思い知らされます。

そんな時、小森(吉井基師)が「時間を変えてみたらどうや」と声を掛けてきました。それまで結城は温度しか調整していなかったので、小森の新しい発想に一同は感銘を受けます。また、未だわだかまりが解けていない小森が手を貸してくれたことに、舞は嬉しそうです。

その晩、今日で工場を閉めた長井さん(や乃えいじ)の送別会がうめづで行われました。舞がいるテーブルには笠巻(古舘寛治)と結城、小森がおり、航空機部品の話題になります。小森が手伝ってくれたことで、20日かかった圧造がなんとかうまくいき、次は笠巻が担当する転造です。

笠巻は圧造の工程を見た上で、転造ではIWAKURAにはない丸ダイスを使うと発言します。結城が即座に「うち平ダイスしかないですやん。なんか、アテあるんですか?」と尋ねると、笠巻は「何年この業界おると思ってんねん」と頼もしさを見せるのでした。

そんな中、後ろのテーブルにいた曽根(蟷螂襲)が「みなさんお揃いのようですので、一言言わせてください。本日、長井金属工業が97年の歴史に終止符を打ちました。長井さん、ここまでよく頑張った。おつかれさん」と挨拶を始めます。

すると、長井は立ち上がり「東大阪でみなと一緒にものづくりができてほんまに幸せでした。こないして幕閉じるのは非常に寂しい。おおきにでした。ここまでお世話になりました。」と言い、深く頭を下げました。

一同も同じく頭を下げ、しんみりとしていると、長井は「明日から普通の女の子に戻ります」とちょけ、和やかな雰囲気を作ったのです。それから程なくして、小森はIWAKURAに戻ってきました。再び小森にIWAKURAの制服を渡しためぐみ(永作博美)は「今日からまた宜しくお願いします」と言葉を掛けます。

小森は「はい」と返事をすると、「戻るにあたって、一つお願いがあります。俺も航空機部品の試作に関わらせて下さい。先代の夢、俺も一緒に叶えたいんです」と申告しました。小森の熱い想いに、舞は「ぜひ!お願いします」と返します。

その後、試作の転造のため笠巻と小森、土屋(二宮星)、舞は笠巻に技術を教えてくれた先輩の工場を訪ねました。久しぶりの笠巻を歓迎する先輩は、快く機会を貸してくれます。長いこと使っていない機械なので、笠巻は正常に動くかチェックすると、さっそく転造に入りました。

久しぶりの笠巻の仕事姿に、先輩は「変わってへんな。笠やん、若い頃から手際よおて。腕前ピカイチやったんや」と感心します。その言葉を聞いた舞は、「IWAKURAの大黒柱です」と笑顔で返しました。しかし、さすがの笠巻も航空機部品の転造は初めてなので、最初からうまくはいきません。

数日に渡り何度も試行錯誤し、失敗を繰り返す中、遂に笠巻は「ええんちゃうか!」と転造が成功したことを告げます。「どうぞリーダー」とネジを渡された舞は、満面の笑みで「ありがとうございます」と感謝しました。IWAKURAに戻ると、さっそくめぐみを始めとした試作チームに完成したネジを披露します。

完成したネジを見て、一同は歓喜の声を上げました。そんな中、舞はめぐみに「社長、大きな一歩ですね」と声を掛けると、めぐみも「うん」と嬉しそうな表情を浮かべます。仕事から帰宅する途中、舞はデラシネに寄り貴司(赤楚衛二)に「エンジン用ボルトが完成した!」と報告しました。

舞の朗報を聞いた貴司はすぐに立ち上がり駆けつけると、「おめでとう!よかったな」と自分のことのように喜びます。すると、タイミングよく電話が鳴り、貴司は「ごめんな」と会話を中断し、受話器を取りました。電話をかけてきたのは、貴司が短歌を応募した長山出版からです。

急に緊張した面持ちになった貴司に、舞は不思議に思います。貴司は静かに目を見開くと、電話を切った後も黙ったままです。舞が心配になり、「どないした?」と尋ねると、「僕の短歌が長山短歌賞、受賞したて」と告げます。

長山短歌賞は短歌界の芥川賞のようなもので、受賞することは偉業です。手を取合って喜ぶ中、舞は「久留実(山本美月)にも連絡せな」と言います。二人は電話を掛けますが、丁度その時久留実も人生の一大イベントに鉢合わせていました。

かねてから交際していた医者の八神から、婚約指輪を差し出されプロポーズされていたのです。家に帰り舞とめぐみは夕飯を食べながら、貴司が短歌賞に受賞した話題で盛り上がります。

「遂に才能が花開いたんやな」とめぐみが言うと、舞は「才能だけちゃうよ!ええ歌作りたいっていう努力が実ったんやと思う」と嬉しそうに否定しました。すると、めぐみは「舞と同じやな。努力が実って航空機部品できた」とにこやかに話します。

舞は嬉しそうにしながらも「来週からの品質検査通らんとな。航空機部品の検査って、めっちゃ厳しいねんて」と厳しい表情を浮べました。めぐみもまだまだ待ち受ける試練に深いため息をつくと、「お父ちゃんは、えらい大変な夢を持ってしまったんやな」と呟き、舞も「ほんまやな」とわざとらしく返します。

すると、めぐみは笑いながら「あんたのことや」とツッコムのでした。丁度その頃、外には悠人(横山裕)が岩倉家の前で立ち止まっています。何やら考え込む表情を浮かべながら、サングラスをかけると実家に立ち寄らず東大阪の町に消えていくのでした。

 

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