日本テレビ系列の24時間テレビの目玉企画といえば、チャリティーマラソンが頭に浮かぶ方も多いことでしょう。その年の旬な芸能人がマラソンを頑張って走る姿に感動を覚えます。過去には放送時間内に走り切ることができなかったランナーもいますが、24時間テレビのマラソンには幾度もやらせ・ワープ疑惑が持ち上がっています。果たして真相はどうなのか、徹底調査しましたのでぜひチェックしてみてください。
目次
24時間テレビとは
24時間テレビとは、「本当の主役は(テレビの前の)あなたです」をキャッチフレーズに、視聴者から寄付金を募り、国内や海外の福祉、環境保護、災害復興などの支援に役立てることを目的としたテレビ番組です。
番組内では、司会者のアナウンサーが「テレビをご覧の皆さんが主役」とこのキャッチフレーズを親しみやすく言い替えてアナウンスすることもあります。
1978年8月26日・27日の第1回放送のテーマは、「寝たきり老人にお風呂を!身障者にリフト付きバスと車椅子を!」でした。
24時間テレビのイメージカラーは黄色、シンボルマークは太陽とその周りを周回する地球をデザインしたものです。毎年製作されるTシャツの他、さまざまな番組内の製作物に反映されています。
スポンサーの消極的な反応や局内の反対意見などにより、1回限りの特別番組の予定だった24時間テレビですが、視聴者からの募金額の大きさに次回以降の継続が決定したと言われています。このことから、24時間テレビはいわば民意が反映されて継続しているテレビ番組といえるのではないでしょうか。
24時間テレビのマラソンの歴史
24時間テレビのチャリティマラソンはどのようなきっかけで始まったのでしょうか。ここからは24時間テレビチャリティマラソンの歴史についてご紹介します。
きっかけは間寛平さんのチャリティマラソン
24時間テレビの目玉企画であるチャリティマラソンは、1992年に第1回目が行われました。記念すべき初回のランナーは、現在ではマラソン芸人として知られる間寛平さんです。
間さんのマラソン芸人としてのキャラが定着するきっかけは、24時間テレビのチャリティマラソンだとも言われています。間さんは1992年、1993年、1995年の計3回ほどランナーに選出され、歴代のチャリティマラソンにおいて最も多く登場している芸能人です。
第1回の間さんの200キロチャリティマラソンは実は失敗に終わっています。不手際によりマラソンコースが事前に漏洩してしまい、マラソンコース上に観客が集まってしまったのです。そのことから間さんはゴールすることができず、途中棄権しています。
この失敗からマラソンコースは非公開となり、ランナーたちは安心してレースに集中できるようになりました。翌1993年には間さんがリベンジで200キロマラソンに再チャレンジし、無事完走しています。
24時間テレビの歴代マラソンランナー
24時間テレビのチャリティマラソン、歴代のランナーを一覧で見てみましょう。その年活躍した話題の芸能人が起用されていることが多い印象を受けます。
- 1992年(第15回):間寛平(200キロ)
- 1993年(第16回):間寛平(200キロ)
- 1994年(第17回):ダチョウ倶楽部・肥後克広、寺門ジモン、上島竜兵(100キロ)
- 1995年(第18回):間寛平(600キロ)
- 1996年(第19回):赤井英和(100キロ)
- 1997年(第20回):TOKIO・山口達也(100キロ)
- 1998年(第21回):V6・森田剛(100キロ)
- 1999年(第22回):にしきのあきら(110キロ)
- 2000年(第23回):トミーズ雅(150キロ)
- 2001年(第24回):研ナオコ(85キロ)
- 2002年(第25回):西村知美(100キロ)
- 2003年(第26回):山田花子(110キロ)
- 2004年(第27回):杉田かおる(100キロ)
- 2005年(第28回):丸山和也(100キロ)
- 2006年(第29回):アンガールズ・田中卓志、山根良顕(100キロ)
- 2007年(第30回):萩本欽一(70キロ)
- 2008年(第31回):エド・はるみ(113キロ)
- 2009年(第32回):イモトアヤコ(126.5キロ)
- 2010年(第33回):はるな愛(85キロ)
- 2011年(第34回):徳光和夫(63.2キロ)
- 2012年(第35回):佐々木健介、北斗晶ファミリー(120キロリレー)
- 2013年(第36回):森三中・大島美幸(88キロ)
- 2014年(第37回):TOKIO・城島茂(101キロ)
- 2015年(第38回):DAIGO (100キロ)
- 2016年(第39回):林家たい平(100.5キロ)
- 2017年(第40回):ブルゾンちえみ(90キロ)
- 2018年(第41回):みやぞん(水泳1.55キロ、自転車60キロ、ラン100キロ)
- 2019年(第42回):ハリセンボン・近藤春菜(32.195キロ)→ ガンバレルーヤ・よしこ(32.195キロ)→ 水卜麻美(42.195キロ)→ いとうあさこ(42.195キロ)
- 2020年(第43回):高橋尚子&土屋太鳳→ 吉田沙保里→陣内貴美子→ 松本薫→ 野口みずき(総236キロ)
- 2021年(第44回):岸優太→水谷隼→ 荒川静香→川井梨紗子・川井友香子→ 五郎丸歩→ 田中理恵→長谷川穂積→ 丸山桂里奈→林咲希→城島茂(総100キロ)
- 2022年予定(第45回):EXIT・兼近大樹
24時間テレビのマラソンがやらせだと言われている理由
24時間テレビのチャリティマラソンが「やらせ」だと言われているのには、どのような理由があるのでしょうか。視聴者から不信感を持たれるきっかけとなった事柄をご紹介します。
理由①およそ21時間後にはゴール?
歴代ランナーのゴールの時間をみてみると、ほぼ全てのランナーが番組が終盤の盛り上がりを見せる21時頃にゴールしています。
感動のゴールで番組はさらに盛り上がるわけですが、あまりにも揃いも揃って同じような時間にゴールしているので、「やらせ」ではないかとの声が上がっています。
理由②距離を途中で調整している?
マラソンの距離についても疑惑の声が上がっています。歴代のランナーはおおよそ100キロの距離を走っているのですが、ランナーの年齢やトレーニングの状況もさまざまなので、サポーターが付き、ペース配分や休憩のアドバイスを受けながら走っています。
しかしながら生放送を見ていると、途中ありえない速度でゴールまでの距離が縮まっていたり、テロップで示されている走行距離が大幅に進んだことなどがあり、「車で移動したのではないか」などと言われてしまうこととなっています。
24時間テレビのマラソンで車移動・ワープ疑惑があるランナー
実際に車移動やワープ疑惑のあるランナーを詳しく見てみましょう。どのような理由からそのような疑惑を持たれてしまったのでしょうか。
やらせ疑惑があるランナー①ダチョウ倶楽部
ダチョウ倶楽部がランナーを務めたのは1994年の第17回24時間テレビのチャリティマラソンで、メンバー3人で力を合わせて、100キロを放送時間内に走破しました。
しかしその後ビートたけしさんが「ダチョウ倶楽部は24時間マラソンで車を使って移動していた」とスポーツ紙に暴露したのです。真偽のほどは定かではなく、ビートたけしさんが笑いを取るために冗談として発言したのではとも言われています。
しかしながらこのときのスポーツ紙の反響は大きく、またたく間に24時間テレビのマラソンは「やらせ」と言われるようになってしまいました。
やらせ疑惑があるランナー②西村知美
2002年にランナーを務めた西村知美さんも、やらせ疑惑で有名になってしまいました。24時間テレビは2日間に渡って放送され、2日目の21時で番組終了となりますが、ランナーの西村知美さんは18時の時点で残り30キロの地点を走行しておりました。
西村知美さんが3時間で30キロを走破するというのは、ハーフマラソン(21.0975km)の女子世界記録が1時間4分52秒ということを鑑みると、どう考えても無理だと思います。しかし実際は、19時頃画面に映った西村さんは、なんとゴールまであと10キロの位置を走行していました。
さすがにこのようなあからさまなやらせを見過ごす視聴者ではないので、「西村知美ワープ事件」としてのちのちまで語り継がれることとなってしまいました。
やらせ疑惑があるランナー③はるな愛
2010年にランナーを務めたはるな愛さんは、走行距離のやらせ疑惑と、時間調整のやらせ疑惑が取り沙汰されました。走行距離については、後日疑惑が晴れ、きちんと85キロ走っていたことが証明されました。
時間調整疑惑のほうは、何しろ放送終了ギリギリに武道館に飛び込んでくるというタイミングの良さでしたので、テレビの前の視聴者も違和感を抱いた人が多かったようです。しかしながらこの疑惑については未だに真相は分かっていません。
やらせ疑惑があるランナー④佐々木健介・北斗晶ファミリー
2012年には佐々木健介・北斗晶ファミリーが120キロの距離をリレー形式で走りました。しかしながら、ここでも問題が発生します。
アンカーである北斗晶さんが走っているとき、ゴールまで残り1.99kmの画面表示が出ていました。その直後、北斗さんが3歩ほど歩いたらゴールまで残り1.38kmの画面表示になったのです。3歩で610メートルも進むことは不可能です。
その後計測ミスであると説明がありましたが、こういうことがあるとマラソン自体が「やらせ」なのではないかと疑念を持たれても仕方ないのではないでしょうか。
やらせ疑惑があるランナー⑤大島美幸
森三中の大島美幸さんは、2013年のランナーです。オファーを受けたとき、自分の体重を走行距離とする、という一風変わった発表をしました。
しかしながら24時間の目玉企画であるチャリティマラソン、当時の大島美幸さんの体重と同じ走行距離では、ゴール時間が早くなりすぎて盛り上がりに不安があったそうです。
結局大島さんは自分の体重以上の距離を走り、無事完走しました。やらせ疑惑ではなく、走行距離の上積みということですね。
24時間テレビのマラソンは本当にやらせなの?
これまでさまざまな疑惑が取り沙汰されてきましたが、最近の24時間テレビのチャリティマラソンでは、疑惑が浮上するような出来事は報じられていません。それには理由があるのでしょうか。
有志で不正を監視
実は24時間テレビのチャリティマラソンには、有志で構成された追跡班が存在するのです。彼らは、立場としては番組製作側とは何ら関係がない視聴者側の人たちです。
追跡班はロードバイクなどでランナーを追跡し、移動距離を計測しています。また、その様子をTwitter、ツイキャス、Ustream、Youtubeのライブ中継、GoogleMAPに走行ルートアップするなどありとあらゆるデジタルツールを使ってリアルタイム発信しているのです。
このような状況下で距離の偽装をした場合、あっという間に世間に拡散してしまうことになります。
時間内に間に合わなかったランナーもいる
24時間テレビのチャリティマラソンでは、時間内にゴールできなかったランナーもいます。間に合わなかったランナーを挙げてみます。
- 1996年 赤井英和
- 2003年 山田花子
- 2007年 萩本欽一
- 2009年 イモトアヤコ
- 2013年 大島美幸
ゴールが間に合わなかったランナーもそこそこいますし最近では有志の追跡班も存在するので、「やらせ」をするのは難しいのではないでしょうか。
今年の24時間テレビのマラソンをチェックしてみよう
24時間テレビのチャリティマラソンは、行われるたびにかなりの話題になりますし、マラソン追跡班なるものが存在するほど世間の注目を集めていることが分かります。
2022年のチャリティマラソンは5年ぶりの復活で、ランナーは人気お笑いコンビ、EXITの兼近大樹さんの走行が予定されており、盛り上がりそうです。テレビ観戦しつつ、追跡班のリアルタイム情報もチェックしてみるなど、24時間テレビのチャリティマラソン観戦をぜひ楽しんでみてください。