宮本から君へ

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INTRODUCTION

映画史上類をみない、情熱的で愚直な愛すべき“ヒーロー”が誕生!池松の“宮本”と、蒼井の“靖子”の熱い魂の応酬が、激しく心を打つ。「宮本から君へ」が遂に実写映画化!

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INTRODUCTION

原作コミックは、漫画家・新井英樹が熱血営業マン・宮本浩の七転八倒の記録を描いた作品。
1990年にモーニング(講談社)で連載をスタートし、1992年に<第38回小学館漫画賞 青年一般部門>を受賞。2009年には『定本 宮本から君へ』(全4巻)が太田出版より刊行。
現在でも、俳優やミュージシャン、漫画家をはじめとした様々な業界から、漫画の“オールタイムベスト”にあげられるほど熱烈な支持者を生み続け、世代を超えて読み継がれている。

監督は、『ディストラクション・ベイビーズ』(16)で、第69回ロカルノ国際映画祭の最優秀新人監督賞を受賞し、国内外でも高く期待される新鋭・真利子哲也が務めている。

主演の宮本浩を演じるのは池松壮亮。「宮本浩という人は、僕にとってどの歴史上人物よりも星であり、ヒーローでした」と語り、原作と宮本浩を敬愛する池松は、主演俳優という枠を超え、本作の映画化までの道のりを並々ならぬ思いをもって取り組んだ。
そして、池松の熱量と、宮本の熱量が掛け算となり、映画史上類をみない、情熱的で愚直な愛すべき“ヒーロー”が生まれた。
ヒロイン・中野靖子を演じるのは、蒼井優。大人の女優として新たなステージへ登り、凛とした強さと逞しさをもつ靖子の内面までも表現。
池松と蒼井の共演は『斬、』(18)につづけてとなるが、二人の初共演は、2002年NHK放送のドラマ「うきは-少年たちの夏-」となり、出身地、大学など共通点も多く、役者としても認め合う存在。
この二人が圧倒的な熱量をもって、絶妙なコンビネーションで演じており、感情をむき出しに“究極の愛の試練”に立ち向かう“宮本”と“靖子”の魂の応酬が、激しく心を打つ。

そして、どうしようもない遊び人だが、靖子の心に棲みつく元恋人・風間裕二を演じるのは、井浦新。宮本と靖子の間で、奔放に振る舞いながらも、二人の距離を近づけていく大切な役割を担っている。
また、漫画「宮本から君へ」が今も熱く支持される要因の一つであり、本当に映画化できるのか?と注目される“非常階段の決闘シーン”で、宮本が立ち向かう怪物・真淵拓馬を演じるのは、『キングダム』にも出演した元格闘家の一ノ瀬ワタル。
また、真淵拓馬の父で、宮本の得意先の部長である真淵敬三をピエール瀧、そして真淵敬三の親友・大野平八郎を、新井英樹の原作漫画の大ファンであることから出演を即決し、映画・ドラマなど引く手あまたの名優・佐藤二朗が演じている。
このほか、ドラマ版で同役を演じたキャストが再集結し、マルキタ文具の先輩・神保を松山ケンイチ、同僚の田島を柄本時生、営業課長の小田を星田英利、部長の岡崎を古舘寛治が演じている。

そして映画主題歌は、宮本浩次が、ギターに横山健を迎え、この映画のために書き下ろした楽曲「Do you remember?」。
魂を揺さぶる人生讚歌が、宮本浩と靖子と君を応援する!!

金なし!コネなし!勝ち目なし!
・・・でも情熱だけは半端ない。
熱血営業マン・宮本浩が“絶対に勝たなきゃいけないケンカ”に挑む!
宮本の暑苦しくも切ない生き様を描いた“極限の人間讃歌エンターテイメント
そして、極限の人間賛歌は、極限の愛の物語へ昇華する——
宮本の熱量を、あなたは受け止められるか?
生身の愛を求めない人、お断り!

STORY

文具メーカー「マルキタ」で働く営業マン宮本浩(池松壮亮)は、笑顔がうまくつくれない、
気の利いたお世辞も言えない、なのに、人一倍正義感が強い超不器用な人間。

会社の先輩・神保(松山ケンイチ)の仕事仲間である、自立した女・中野靖子(蒼井優)と恋に落ちた宮本は、
靖子の自宅での食事に呼ばれるが、そこに靖子の元彼・裕二(井浦新)が現れる。
裕二を拒むため、宮本と寝たことを伝える靖子。怒りで靖子に手を出した裕二に対して、宮本は「この女は俺が守る」と言い放つ。
この事件をきっかけに、心から結ばれた宮本と靖子に、ひとときの幸福の時間が訪れる。

ある日、営業先で気に入られた真淵部長(ピエール瀧)と大野部長(佐藤二朗)に誘われ、
靖子を連れて飲み会に参加した宮本は、気合いを入れて日本酒の一升瓶を飲み干し、泥酔してしまう。
見かねた大野が、真淵の息子・拓馬(一ノ瀬ワタル)の車で送らせようと拓馬を呼びつけた。
そこに現れたのは、ラグビーで鍛えあげられた巨漢の怪物だった……!
泥酔する宮本と、宴会を楽しむ靖子、二人の間に、人生最大の試練が立ちはだかる————。

究極の愛の試練に立ち向かうべく、
愛する人のため宮本浩が“絶対に勝たなきゃいけないケンカ”に挑む!

キャラクター相関図

相関図

相関図

CAST

池松壮亮
蒼井優
井浦新
一ノ瀬ワタル
佐藤二朗
松山ケンイチ
柄本時生
星田英利
古舘寛治
ピエール瀧
池松壮亮

池松壮亮

Sousuke Ikematsu

1990年7月9日生まれ。福岡県出身。『ラストサムライ』(03)で映画デビュー。2014年に出演した『紙の月』、『愛の渦』、『ぼくたちの家族』、 『海を感じる時』で、第38回日本アカデミー賞新人俳優賞、第57回ブルーリボン賞助演男優賞を受賞。2017年には主演作『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』などで第9回TAMA映画賞最優秀男優賞、第39回ヨコハマ映画祭主演男優賞を受賞。昨年の映画出演作に『万引き家族』、「ウタモノガタリ」の『ファンキー』、『君が君で君だ』、『散り椿』などに出演し、『斬、』では第33回高崎映画祭最優秀主演男優賞を受賞。最新出演作に『町田くんの世界』(19)

COMMENT

この原作が手元に来てから、随分と時間が経ってしまったような気がします。ボロボロになるまで読み漁ったこの偉大な原作の力をお借りして、時代の変わり目に強烈な人間賛歌を残すべく、身も心も捧げたつもりです。蒼井さんとは「斬、」から立て続けの共演となりますが、今度は宮本と靖子として、物語の中の人生の試練を共にする事が出来たと思っています。その存在にいつも救われました。そのほかキャストそれぞれの、抜群のアクトも楽しみにしていただければと思います。まだ仕上げ真っ最中でどうでるか分かりませんが、生きてゆく覚悟、信じる覚悟、そして人生を感じるような映画になるんではないかと期待しています。
傲慢な男ですが、今秋、宮本からあなたへ、よろしくお願いします。

蒼井優

蒼井優

Yu Aoi

1985年8月17日生まれ、福岡県出身。『リリイ・シュシュのすべて』(01)のヒロイン役で映画デビュー。『花とアリス』(04)、『ニライカナイからの手紙』(05)、『フラガール』(06)などで主演を務め、『フラガール』で第30回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞、新人俳優賞をダブル受賞したほか、国内の映画賞を総なめにした。近年の主な映画出演作に、『オーバー・フェンス』(16)、『アズミ・ハルコは行方不明』(16)、第41日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した『彼女がその名を知らない鳥たち』(17)、『斬、』(18)、『長いお別れ』(19)など。公開待機作に『ロマンスドール』(今秋公開) がある。

COMMENT

全身で感情をぶつけ合うシーンの連続だった為、撮影3日目には既にヘトヘトでした。こんなに早く疲弊した現場は初めてです。体力、集中力、瞬発力、そして声量が基本的にどのカットにも必要だったのですが、共演者の皆様と労り合い、励まし合い、スタッフの皆様に助けていただき、なんとかクランクアップすることが出来ました。
こんなに高カロリーな作品はなかなか無いと思います。公開を楽しみにしていただければと思います。

井浦新

井浦新

Arata Iura

1974年9月15日生まれ、東京都出身。『ワンダフルライフ』(98)に初主演。以降、映画を中心にドラマ・ナレーションなど幅広く活動。『かぞくのくに』(12)で第55回ブルーリボン賞助演男優賞を受賞、『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』(13)で第22回日本映画プロフェッショナル大賞主演男優賞、第8回大阪アジアン映画祭主演男優賞。近年の主な映画出演作に、『菊とギロチン』(18)、『止められるか、俺たちを』(18)、『赤い雪 RedSnow』(19)、『嵐電』(19)など。公開待機作に『こはく』(19)、『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』(19)がある。

COMMENT

撮影時、この作品が放つ生命感溢れる熱量に吹き飛ばされまいと、全身全霊で現場にしがみついていた。その中心で熱苦しいほどのエネルギーを生み出している池松君と蒼井さんのぶつかり合いは、正に鬼神の如く、その凄まじさを余すことなく味わえたことが、大きな喜びでした。関わったシーンでの撮影では毎回がクライマックス、しかし初号を観たら始まりから終わりまで全編がクライマックスに漲っていた。なんてべらぼうな映画だ。

一ノ瀬ワタル

一ノ瀬ワタル

Sousuke Ikematsu

1985年7月30日生まれ、佐賀県出身。格闘家としての現役時代に出演した『クローズZEROⅡ』(09)で俳優デビュー。
日本人俳優として規格外の体格を活かし『HiGH&LOW』シリーズ、『新宿スワン』シリーズなど様々な作品に出演する。近年の主な出演作品に、『銀魂2 掟は破るためにこそある』(18)、『トラさん〜僕が猫になったワケ〜』(19)、『キングダム』(19)などがある。

COMMENT

映画「宮本から君へ」がいよいよ公開します。僕が原作に出会った直後にこの役をやれるチャンスを頂き運命的なものを感じました。真淵拓馬は絶対に自分にしか出来ないという自信と強い想いがあります。より拓馬に近付く為2ヶ月間で30kg以上の増量もしました。この作品を撮り終わったら死んでも良いと覚悟して挑んだ作品です。ありったけの魂を込めました。この映画、観てください!!!!!!!!

佐藤二朗

佐藤二朗

Jiro Sato

1969年5月7日生まれ、愛知県出身。1996年に演劇ユニットちからわざを旗揚げ、全公演で作・出演。多数のドラマ・映画に出演する他、映画『memo』(08)では脚本・監督を務めるなど幅広い才能を発揮する。近年の主な出演作品に、『50回目のファーストキス』(18)、『銀魂2 掟は破るためにこそある』(18)、「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」(19)、『柴公園』(19)、『ザ・ファブル』(19)などがある。

COMMENT

僕が新井英樹作品を大好きな理由の1つが、何かを引きかえに描いてるとしか思えない、壮絶で豊饒なキャラクターたちだ。
今回、そのキャラクターの1人を演じられることに悦びと畏れを感じつつ、皆で渾身の思いで拵えた作品です。
是非、劇場でご覧ください。

松山ケンイチ

松山ケンイチ

Kenichi Matsuyama

1985年3月5日生まれ、青森県出身。2002年に俳優デビュー。2005年に『男たちの大和/YAMATO』で鮮烈な演技で一躍注目を浴び、第30回日本アカデミー賞新人俳優賞、第31回報知映画賞新人賞、第28回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞。2016年には、『聖の青春』で第40回日本アカデミー賞優秀主演男優賞、第59回ブルーリボン賞主演男優賞を受賞。近年の主な出演作に、『怒り』(16)、『関ヶ原』(17)、『ユリゴコロ』(17)などがある。

柄本時生

柄本時生

Tokio Emoto

1989年10月17日生まれ、東京都出身。2003年、映画 Jam Films S『すべり台』(05)のオーディションに合格し、主演デビューを果たす。『俺たちに明日はないッス』(08)など同年数々の映画で活躍し、第2回松本CINEMAセレクト・アワード最優秀俳優賞受賞。以降、舞台、映画、ドラマと幅広く活躍する。近年の主な出演作に、『超高速!参勤交代リターンズ』(16)、『聖の青春』(16)、『彼女の人生は間違いじゃない』(17)、『王様の選択』(18)、『旅のおわり世界のはじまり』(19)などがある。

星田英利

星田英利

Hidetoshi Hoshida

1971年8月6日生まれ、大阪府出身。『UDON』(06)で映画デビュー。『幸運の壺 GoodFortune』(12)で初主演を務めて以降、ドラマ、映画など幅広く活動。近年の主な出演作品に、「宮本から君へ」(18/TX)、「チア☆ダン」(18/TBS)、「砂の器」(19/CX)、「スパイラル〜町工場の奇跡〜」(19/TX)、『文福茶釜』(18)など。公開待機作に『酔うと化け物になる父がつらい』(19)がある。

古舘寛治

古舘寛治

Kanji Furutachi

1968年3月23日生まれ、大阪府出身。ニューヨークで演技を学び、帰国後、舞台を中心に個性派俳優として、映画、ドラマ、CMに数多く出演。近年の主な出演作品に、『勝手にふるえてろ』(17)、『友罪』(18)、『クソ野郎と美しき世界』(18)、『教誨師』(18)などがあり、『甘いお酒でうがい』(20)の公開が控える。大河ドラマ「いだてん〜東京オリンピック噺〜」(19/NHK)にレギュラー出演中。

ピエール瀧

ピエール瀧

Pierre Taki

1967年4月8日生まれ、静岡県出身。89年『電気グルーヴ』のメンバーとして活動を開始。ミュージシャンとして活躍する一方、俳優として、13年『凶悪』で第37回日本アカデミー賞優秀助演男優賞他、数々の賞を受賞。近年の主な出演作品に、『アウトレイジ最終章』(17)、『サニー/32』(18)、『孤狼の血』(18)、『麻雀放浪記2020』 (19)などがある。

STAFF

真利子哲也

監督・脚本:真利子哲也

1981年、東京都生まれ。法政大学在学中に8mmフィルムで自主制作した短篇作品が、国内外で注目される。その後、東京芸術大学大学院の修了作品『イエローキッド』が、国内外で高い評価を受けると、学生映画として異例の劇場公開に。『NINIFUNI』『FUN FAIR』など中編作品を経て、2016年に劇場公開された『ディストラクション・ベイビーズ』が、第69回ロカルノ国際映画祭で最優秀新進監督賞を受賞をはじめ、国内外の映画賞で多数の賞を受賞した。

Interview

脚本:港岳彦

1974年、宮崎県生まれ。日本映画学校(現日本映画大学)ドキュメンタリー演出コース卒。『僕がこの街で死んだことなんかあの人は知らない』で、シナリオ作家協会主催・大伴昌司賞受賞。いまおかしんじ監督の『イサク』(08)で第四回ピンクシナリオコンクール入選(2009年度「年鑑代表シナリオ集」選出)。近年の主な作品に『蜜のあわれ』(16)、『あゝ、荒野』(17)など。

撮影:四宮秀俊

2001年、映画美学校フィクション・コース第6期初等科に入学。高等科修了後、撮影助手として映画やMVなどの撮影に参加。のちカメラマンとなり、『Playback』(12)、『貞子VS伽倻子』(16)、『風に濡れた女』(16)、『ミスミソウ』(18)、『枝葉のこと』(18)、『きみの鳥はうたえる』(18)、『さよならくちびる』(19)などの撮影を担当。

音楽:池永正二

1976年、大阪府出身。97年より叙情派シネマティック・ダブ・バンド「あらかじめ決められた恋人たちへ」として活動開始。フジロック等、幾多の大型フェスに出演。映画音楽でも活動の場を広げ、主な作品に『もらとりあむタマ子』(13)、『味園ユニバース』(15)、『モヒカン故郷に帰る』(16)、『武曲MUKOKU』(17)、『ブルーアワーにぶっ飛ばす』(音楽監修19)などがある。ドラマ『宮本から君へ』(18/TX)の音楽も手がける。

エンドロール監修&特写:佐内正史

1968年、静岡県生まれ。95年、第12回キヤノン写真新世紀優秀賞受賞。97年に写真集『生きている』(青幻舎)でデビュー。2002年の『MAP』で第28回木村伊兵衛写真賞受賞。写真集の刊行のほか、CM、映画『ジョゼと虎と魚たち』への作品提供など幅広く活躍、近年は自主レーベル「対照」より精力的な出版活動を展開している。ドラマ『宮本から君へ』(18/TX)のオープニングの演出も手がける。

INTERVIEW

——原作との出会いは?

初めて読んだのは十代後半、大学生のときでした。前半から後半にかけての展開に心が抉られるような思いがあって、漫画体験の中でも別格のもので。その後に他の全作品も追いかけたんですが、当時は全巻揃えようと古本屋に行っても見つからない単行本もあったりして、作者はどんな人だという想像だけが膨らんでました。

——そのように思われた理由を教えてください。

宮本に乗っかっていたと思ったら振り落とされて、気がつけば深みにはまって、世界が開けていたような……。正直、宮本の行動に関して、後半はただ唖然としてたんです。それでもページを捲る手は止まらなかった訳ですよ。そこにこの原作の凄みがあると思っていて、映画化するにあたってひたすら読み込みました。

——原作者の新井さんとお会いしたのは『ディストラクション・ベイビーズ』がきっかけだそうですね。

試写に観に来ていただいたのが最初でした。「宮本から君へ」の映画化にあたって新井さんからは「原作をぶっ壊してくれ」と言われたのですが、それほどハードルを上げられることはない(笑)。僕自身、原作に思い入れがあったので、下手な映像作品にはしたくないというプレッシャーがドラマの時から常にありました。

——ドラマと映画の違いはどのように意識していましたか?

ドラマは伝わりやすい語り口を心がけて、映画はより限られた時間の中で説得力を持たせる必要があるので、それぞれ観客の違いは意識しました。ドラマで描いたのは宮本のサラリーマン時代の物語でしたが、映画ではもう一歩、人間の難しい局面に踏み込まなければならない。ドラマからスタッフ・キャストとの関係を築けたのは、大きかったですね。特に主演の池松くんと「宮本から君へ」という作品に向き合う中で長い時間を一緒に過ごし、役については完全に信頼し、それ以上に映画全体についてたくさん話をしました。

——中野靖子を演じた蒼井優さんについて

蒼井さんも原作が大好きだとおっしゃってくれて、過酷な役柄にも関わらず、靖子を演じることに役者として、喜びと生き甲斐を示してくれました。現場で緊張感を持って挑む場面でも本人が一番に場を和ませるような振る舞いをしてくれたり、撮影の合間もにこやかで。そんな中で、事件後に宮本と公園で会うシーン。脚本には靖子の第一声に「眠れた?」と書かれていましたが、原作に「よく眠れた?」と書かれている意味に触れて、宮本への皮肉も込められた「よく」をつけることを相談しくれて、その感覚に改めて驚かされました。

——映画には、真淵拓馬が登場します。

拓馬は、宮本にとって圧倒的に敵わない相手であると視覚で伝えたくて、役者だけでなく、プロレスラーまで探しました。そんな中、一ノ瀬ワタルの決め手になったのは、身体だけではなくその性格と、拓馬を演じるにふさわしい経験をしていたこと。この経験がある方は滅多にいないですが、彼は格闘家時代にその経験があって痛みを知っていた。最大の難関となる役を、原作とも一味違う現代の拓馬としてやり切ってくれました。

——最後に、真利子監督から君へ、この映画で何を届けたいですか?

この問題作を最後までやり切る覚悟を持って挑みました。もの凄いエネルギーが溢れ出す映画になったので、このエネルギーに観客も感化されてくれたら本望です。いいことがあれば悪いこともあって、挫けずいけばまたその先に喜びもある。きれいごとで済まされないことでも、宮本が出てきて、不器用なまま誰よりも真剣に突破してくれる。その生き様に、この映画を観た誰かが揺れ動くことがあればいいなと思います。

ORIGINAL

新井英樹

新井英樹

1963年、神奈川県生まれ。大学卒業後、文具メーカーの営業マンから漫画家へ転身。88年の第19回ちばてつや賞入選などを経て、89年「8月の光」で漫画家デビュー。90年にモーニング(講談社)で連載をスタートし、92年に<第38回小学館漫画賞 青年一般部門>を受賞。漫画代表作に2018年に吉田恵輔監督、安田顕主演で映画化された「愛しのアイリーン」や、「ザ・ワールド・イズ・マイン」など。

「定本 宮本から君へ」(全4巻)太田出版

MUSIC

宮本浩次

宮本浩次

1966年6月12日生まれ、東京都出身。日本を代表するロックバンド、エレファントカシマシのヴォーカル&ギター。88年、『THE ELEPHANT KASHIMASHI』でデビュー。以後、バンドで22枚のアルバム、1枚のミニアルバム、50枚のシングルを出す。
18年よりシンガーとして椎名林檎、東京スカパラダイスオーケストラの作品に参加。2019年にソロ活動を開始し、シングル「昇る太陽」をリリース。エレファントカシマシとして、ドラマ『宮本から君へ』(18/TX)へ、主題歌「Easy Go」を提供。映画では、宮本浩次としてギターに横山健を迎えた「Do you remember?」を書き下ろした。